(仮称)道の駅北郷/Roadside Station Kitago

(仮称)道の駅北郷施設整備事業 設計デザイン技術提案コンペ 最優秀案

宮崎県日南市の山間部に位置する北郷地区の道の駅の計画です。
各方面を山並みに囲まれ、北には田畑の風景、西にはアクセスとなる県道、東側には施設連携する図書館や交流センターが位置しており、各方面に対して顔を持たせることが重要であると考えました。
そこで、周囲の山並みに呼応するようにやわらかに起伏する屋根を放射状に連続させることで、多方向に開き、各方面に顔を持つ開かれた道の駅を提案しました。
起伏する屋根は、地域材である飫肥杉を用い、地元で製材・加工できる一般的な流通材を編み込むようにつくることで地域のシンボルとなることを目指しています。

レストラン、物産販売、観光案内、トイレといった各機能を放射状に配置することで多方向に開くことができ、それぞれの風景に適した用途を配置することで、場所ごとに特徴が生まれます。
例えばレストランは田畑や遊具広場に開かれた心地よく開放的な空間となっていたり、物産販売は建物中央の多目的広場に開かれており賑わいを屋外まで波及させます。

建物中央にはイベントで賑わう多目的広場、県道側にはバスの待合や屋外販売ができるアプローチ広場、隣接する図書館側には既存の樹木を生かした森の広場や遊具広場など、特徴を持つ広場をそれぞれ設けています。
これらの広場を通り抜け可能な配置とすることで、多世代が立ち寄れる連続するオープンスペースが生まれます。

この道の駅は多世代の人々が利用できるまちの身近な生活拠点となり、同時に北郷地区や日南市の魅力を発信する拠点ともなります。人々の活動を大らかに包むやわらかな屋根と公園のようなランドスケープにより、北郷地区の新たな風景をつくっていきます。
(コンペ選定後、基本デザイン計画業務までを行いました。)


共同設計:蟻川建築設計事務所
構造設計:MOF
敷地:宮崎県日南市
規模:鉄骨造一部コンクリート造平屋建(屋根のみ木造)
掲載誌:architecturephoto