慈光院

奈良に数ある日本建築の中でも好きな建築のひとつ、慈光院へ行きました。
建具が開けられた広間から広縁が張り出し、その外側には庭、庭の領域を囲いとる水平な植込み、背後の樹木、後ろに控える平野、山並みの稜線へと近景から遠景へと連続していきます。
人工的につくられた水平線と自然による曲線がレイヤー上に構成され外側へと視点が広がっていきます。

囲い込まれた植込みと樹木によって、自然と抜けのある山並み方向へ視線が誘導されていきます。

アールで縁取られた開口部により壁の向こう側が切り取られ、壁のこちら側と向こう側の世界を認識させられます。

3段構成の水平の床が立体感を作りつつ、外へと意識が向けられます。
奈良の観光地から離れた立地で人も少ないので、静かに時間を過ごせる場所です。