雨の箱根

先日、妻の誕生日に合わせて箱根に行き、宿泊は村野藤吾設計の箱根プリンスホテルに宿泊しました。
客室棟は円形になっており、それぞれの客室は芦ノ湖を望む部屋、森を望む部屋など客室によって見える風景が変わってきます。

全体が円形なので客室の平面は扇形になっており、外に向かって開くような構成になっていて、天井の高さと合わせて想定していた以上に心地よい空間になっていました。

あいにくの雨でしたが、ガーゴイル(雨を樋に流さずそのまま放流する、近代建築で用いられる仕掛け)が実際に機能している姿を見ることができました。
3階の屋根高さから直接庭に向かって雨水が放流されるので、地面にはかなりの勢いで雨が落ちてきます。
現代ではなかなか採用しづらい方法ですが、雨を可視化するひとつの方法としては面白い仕掛けです。

フロントと客室棟の間にあるロビー。大きな空間ですが壁柱によって分節され、大きな開口も換気の窓、森を見る窓に分節されることでコージーな空間になっています。
しっとりした雨の箱根もこれはこれでよかったです。