住宅医に認定されました

代表の村上が一般社団法人住宅医協会の住宅医として認定されました。
住宅医協会では、建物の改修にあたって既存建物の状況を調査によって正確に把握し、的確な改修設計を行うことのできる、「治す力」を備えた設計者を住宅医として認定しています。→住宅医とは(住宅医協会HP)

建物の改修が普及する一方で、見かけだけを良くした不適切な改修によって不具合が生じたり、調査を怠った設計による予想外の費用が工事中に発生するなど、設計者の無知により住まい手が被害を被るトラブルも見られます。
そうした状況の中で、詳細な調査により建物状況を正確に把握し、的確な知識を持って改修設計を行う住宅医のスキルは、ストック社会における設計者として重要なものだと考えています。
→住宅医による調査診断


住宅医となるためには協会が開催する住宅医スクールにて調査診断・構造・温熱環境・防火・バリアフリーなどの各分野の専門知識を学びカリキュラムを修了した上で、自ら設計を行い完成した事例を検定会にて発表し、審査に合格する必要があります。
今回、北白川のアパート再生(シェアアトリエハウスtede)を自らの改修事例として発表を行い、無事合格を頂きました。(検定会はかなり緊張しました…)診断では正確な調査によって耐久性・耐震性・温熱性など既存建物の各性能を正確に把握し、レーダーチャートにより可視化し改修後の目標を設定します。上図は北白川のアパート再生での改修前後の性能を比較したものです。

建物調査では床下や小屋裏なども詳細に確認していくことで、解体後の思わぬ工事費用の発生をできる限りなくし、治す部分を正確に把握していくことが必要です。こうした調査のスキルはスクールでの知識に加え、先輩住宅医の方の調査に同行するなどして身に付けていきました。

新築より遥かに難しい改修の設計においては、見かけだけの場当たり的なデザインに留まらず、建物の状態を正確に把握し、予算の中で適切な性能向上を行っていくことが建築士としての職能だと考えています。